Project/Area Number |
08771045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大塚 祥司 久留米大学, 医学部, 助手 (10258402)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 冷凍凍結保存 / 気管分岐部移植 / 大網 / 広背筋皮弁 / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
【目的】雑種成犬を用いて冷凍凍結保存した同種気管分岐部移植を行い、その形態的・組織学的変化について検討した。 【方法】8〜15kgの雑種成犬を用い、A群:移植片に被覆を行わない群(n=4)、B群:大網による被覆を併用する群(n=3)、C群:広背筋皮弁による被覆を併用する群(n=5)の3群に分けて検討した。いずれも冷凍凍結保存気管はドナー犬より採取した胸部気管5軟骨輪を保存液(DMEM、20% FCS、10% DMSO、0.1M Sucrose)に漬け-80℃まで除々に凍結した後に液体窒素槽にて1週間以上保存した。レシピエント犬は全身麻酔下に右開胸を加え気管分岐部を切除した上記ドナー犬の気管を37℃で急速解凍したものを端々吻合(二連銃式)で縫合移植した。いずれの群にも術後免疫抑制剤は使用しなかった。 【結果】A群4例中3例は吻合不全で1週間以内に死亡し、組織学的には軟骨壊死と炎症細胞浸潤を認めた。残りの1例は3ケ月長期生存後犠死させた。この移植片は食道と強度に癒着し組織学的に正常気管と同様の所見であった。B群3例中2例は術後2日目に死亡し開胸開腹術による手術侵襲が原因と思われた。生存した1例は組織学的に正常気管と同様の所見であった。C群は全例1ケ月以上生存したが2例に移植部の強度狭窄を認めた。同部位は組織学的に粘膜上皮の脱落、強度な繊維化、軟骨壊死、炎症細胞の浸潤を示した。 【考察】冷凍凍結保存気管分岐部移植では、免疫抑制剤を使用しなくても移植気管の生着を認め、長期保存の可能性と抗原性の失活化が示唆された。気道狭窄を伴わず長期生存した例ではいずれの移植片も肉眼的、組織学的に血流が豊富であった。今後、移植片の血流を如何に保持するかが気管分岐部移植の成功を左右すると考えられた。
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