Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
成熟哺乳動物の中枢神経組織では損傷後に種々の神経再生抑制因子が働き、組織の再構築は達成されない。最近、免疫抑制剤が末梢神経の再生を促進することが報告されているが、この薬剤の中枢神経内での作用に関する知見は乏しい。ラット後根損傷モデルに免疫抑制剤cyclosporinAとFK506を投与し、後根神経の脊髄内への再生程度を評価した。後根損傷ラットを3群に分け、損傷作成当日より、A群にcyclosporinA(5mg/kg/day)、B群にFK506(0.5mg/kg/day)、C群に生理食塩水を1日1回皮下投与し、1ヶ月後に損傷部脊髄の矢状断切片を作成した。免疫組織学的手法を用いて、後根神経の特異的マーカーであるcalcitonin gene-related peptide(CGRP)を含む線維を標識した。標識された再生線維の様々な形態学的parameterをコンピュータ解析して有意さを検討した。標識された脊髄内再生線維の損傷部脊髄内に占めるareaはA群7080【.+-。】856、B群6643【.+-。】916、C群989″73(mean【.+-。】S.E.M.μ m^2,各群4匹)、distribution areaはA群1.50、B群1.67、C群0.11(mean mm^2,各群4匹)であり、免疫抑制剤投与群で有意に(Duncan's multiple range test,P<0.001)再生が促進されていた。また、個々の線維のarea,major axis length,minor axis length,major axis slope,shape factor,compactnessにおいても免疫抑制剤投与群と非投与群との間に有意差を認め、再生線維は免疫抑制ラットにおいて直径が太く、矢状面方向に腹側に向かって伸展する傾向があった。免疫抑制剤は損傷後根神経の脊髄内再生を促進し、その再生は特異な様式を示した。
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