Project/Area Number |
08771064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 潤 京都大学, 医学研究科, 助手 (80252435)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / 神経膠腫 / アポトーシス / 中和抗体 |
Research Abstract |
塩基性線維芽細胞増殖因子(basic FGF)は神経外胚葉及び中胚葉由来の細胞に対するmitogenであると同時に、強力な血管増生因子であることが知られている。我々は、これまでに、ほぼ全ての神経膠腫組織及び神経腫細胞株において、basic FGF及びその受容体が多量に発現していることを発見し報告してきた。 今回の研究では、basic FGF及びその受容体を発現しているヒト神経膠腫細胞U87MG及びU251MGに対して、抗basic FGFマウスモノクローナル中和抗体(Takahashi,FEBS lett.1991)で、腫瘍由来のbasic FGFを中和した。その結果、Cell growthは著明に抑制され、Analyasis of DNA fragmentationでは、抗basic FGF中和抗体で処理した細胞のDNA fragmentationが証明された。また、中和抗体で処理した細胞をAcridine-Orangeで染めたところ、細胞核の濃縮、apoptic bodyが観察された。ヌードマウスにU87MG,U251MG細胞を移植し、抗basic FGF抗体を皮下投与し、周囲皮下組織ごと残存腫瘍塊、或いは遺残組織を切除し、パラフィン標本で、apotosis detection kitを用いて、腫瘍細胞のアポトーシスの誘導が確認された。さらに、bcl-2遺伝子をU87MG,U251MG細胞に導入したところ、上記中和抗体によるアポトーシスの誘導が阻害された。以上より、腫瘍由来のbasic FGFを中和抗体で抑制することによって起こる、神経膠腫の増殖抑制は、アポトーシスがこれらの細胞に誘導されることが証明された。
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