Project/Area Number |
08771083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福永 篤志 (上田 篤志) 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10265829)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 一過性局所脳虚血 / 細胞間接着因子 / ICAM-1 / 多核白血球 / ミエロペルオキシダーゼ / 免疫組織化学 / ウエスタンブロット法 / 微小循環傷害 |
Research Abstract |
【目的】ラット一過性局所脳虚血モデルを用い、虚血時常温群(N群)と、低体温群(H群)の両群に於ける細胞間接着因子ICAM-1の発現の経時的変化、多核白血球(PML)の組織内浸潤を比較する事により、脳虚血中低体温の保護効果の機序について考察を加えたので報告する。 【実験】雄性Wistar rat(280-320g,n=24)を用い、N群(38.0±0.5℃)及び、H群(33.0±0.5℃)両群に対し、ハロ-セン麻酔下にて2時間の一過性中大脳動脈閉塞を行った。両群において、再潅流開始後より6,24,48,96時間後に(各タイムポイントに於いてn=3)リン酸緩衝液及びパラフォルムアルデヒドにて潅流固定後、脳を摘出。50μm切片を作成し、(1)ICAM-1蛋白の発現部位、程度の検出(2)組織内に浸潤したPML数の比較のため、それぞれ抗ICAM-1モノクローナル抗体、抗ミエロペルオキシダーゼ(MPO)モノクローナル抗体により免疫染色を行い、ICAM-1蛋白の発現に関しては染色陽性の血管数を、PML数の比較に関しては組織内MPO陽性細胞数をそれぞれ光学顕微鏡下でカウントした。またICAM-1蛋白の発現については、ウエスタンブロット法による半定量化を試みた。 【結果】(1)免疫染色法ICAM-1蛋白の発現(=抗ICAM-1陽性血管数);H群はN群に比し各タイムポイントにおいて有意に発現の抑制を認めた。(2)多核白血球の組織内浸潤(組織内抗MPO陽性細胞数)も、H群はN群に比し有意に抑制されていた。ウエスタンブロット法によるICAM-1蛋白発現の半定量化については、現在のところ有意を認めていない。 【考察】本研究により、一過性脳局所虚血モデルに於ける低体温の保護効果の一因として、低体温によりICAM-1蛋白等の細胞間接着因子の発現が抑制され、その結果組織内に浸潤し細胞傷害性に作用する多核白血球数が減少することが考えられた。実際に白血球数の減少が神経保護に寄与しているかに関して今後更に組織学的検討を行う予定である。またウエスタンブロット法に関しても、サンプリング法、至適一次/二次抗体濃度の調整等、改善を加えた上で追試予定である。
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