Project/Area Number |
08771092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小田 真理 東海大学, 医学部, 助手 (10246118)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | severe subarachnoid hemorrhage / delayed ischemic neurological deticits |
Research Abstract |
本研究は、くも膜下出血患者の症候性脳血管攣縮の早期診断を患者の神経学的所見、脳血管撮影、超音波ドップラー法に頼らず如何に行なうかにある。そこで、重症頭部外傷において当施設が行なっている経皮的オキシメーターによる脳内酸素飽和度(INVOS 3100A:Baxter社製)測定をくも膜下出血発症後より経時的に行うことにより、脳血管攣縮発現との関連を検討し、この酸素飽和度測定が脳血管攣縮の早期診断に役立つか否や検討するものである。対象は、(1)年齢が70歳以下で、(2)種々の脳幹反応が保たれ、(3)入院時脳幹障害における血圧低下を認めなかった、WFNS分類上4-5の内、急性期脳動脈瘤直達術を施行された重症くも膜下出血患者10例とした。方法は、脳内酸素飽和度測定用のオキシメーターを付着設置し、非侵襲的に脳内酸素飽和度が経時的に測定する。同時に、脳内酸素飽和度に影響を及ぼす体循環系の管理として、Opticath8F(Abbott laboratories社製)を肺動脈内に留置し、心拍出量(CO)、肺動脈圧(PAP)、肺動脈楔入圧(PCWP)、混合静脈血酸素飽和度(SvO2)、中心静脈圧(CVP)を測定し、Forresterの分類に準じ、塩酸ドーパミン、塩酸ドブタミンを使用し可能な限り一定保つこととする。これらのパラメータに神経学的検査を加え、CTによるプローベ設置部位の形態的変化を併せて経時的に検討する。また、従来の脳血管撮影による血管攣縮の確認を発症4、7日目、および神経学的悪化時に行い参考とする。これらにより、症候性脳血管攣縮発生時の各dataの変化を検討し、脳内酸素飽和度の測定が血管攣縮の診断に貢献するか否やを検討、評価した。結果は、血管撮影上びまん性な血管攣縮を伴いCT上広範囲に梗塞像を認めた症例では明かな脳内酸素飽和度の低下を認めたが局所的血管攣縮を伴う例ではその値の変動は乏しく、さらにprimary brain injuryが長期間存在する重症くも膜下出血に於いては脳代謝が一定であるとはいい難く、脳内酸素飽和度のみでは症候性血管攣縮の早期診断には困難があるものと思われた。今後、症例を積み重ね検討していく予定である。
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