脳血管障害治療薬ibudilastの細胞内作用機序
Project/Area Number |
08771106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Iwate College of Nursing |
Principal Investigator |
川崎 敏 岩手女子看護短期大学, その他部局等, 講師 (70195072)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ibudilast / G蛋白 / 百日咳毒素 / Kチャネル / 脳循環障害 |
Research Abstract |
ibudilast(Ketas)は、脳血管においてはprostacyclinの作用を増強し、気管支平滑筋においてはPAF、LTD4により収縮を抑制することが知られている。最近では、中枢神経系において、虚血誘発性ニューロン障害に対する防禦作用も示唆されている。ibudilastの基礎薬理作用としては、cyclicAMPの分解酵素であるphosphodiesteraseの阻害、receptorとG蛋白間の機能的阻害、などが報告されている。本研究では、海産軟体動物アメフラシの神経節細胞を用いて、細胞内におけるibudilastの薬理効果を電気生理学的に調べた。単一の細胞を静止膜に膜電位固定下、dopamine(DA)、acetylcholin、あるいはPhe-Met-Arg-Phe-NH2(FMRFamide)のいずれかの投与によって百日咳毒素感受性のG蛋白(Gi/Go)が活性化されて生じるKチャネルが開く応答は、ibudilast(40microM)の前投与によってことごとく抑制された。一方、serotoninあるいはDA投与によってコレラ毒素感受性のG蛋白が活性化されて生じるNaチャネルが開く応答は、ibudilastによって全く影響を受けなかった。また、Caの細胞内注入やnordihydroguaiareticacidの投与によってG蛋白の活性化を介さずに発生させたKチャネルを開く応答はibudilastによって全く抑制されなかった。しかしながら、非水解性GTPアナログのGTPgammaSを細胞内注入することにより、受容体とcoupleするGi/Goを直接活性化させて生じたK電流応答は、著しく抑制された。これらの結果から、ibudilastはGi/Goの活性化を阻害しているか、またはG蛋白より下流のメッセンジャー系を抑制していると示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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