Research Abstract |
1.35mm dishに作製したヒト培養表皮シートを、4℃・2時間,-80℃・overnight,-135℃と段階的に凍結していき、最終的に-135℃のdeep freezerで凍結保存した。3カ月後、5カ月後に37℃急速解凍し、半透過性膜上で3日間再培養した。4日間目に培地を採取し、半透過性膜を通して分泌されたサイトカイン(TGF-α)の量を測定した。 2.3カ月凍結保存後の培養表皮シートのサイトカイン分泌量は177.1±62.8pg/mlであった。6カ月凍結保存後は、100.0±30.0pg/mlであった。一方解凍したばかりの培養表皮シートを熱処理し不活化したものをnegative controlとして同様の方法でサイトカイン分泌量を測定したが、測定限界以下であった。(またpositive controlとして、凍結前培養表皮シートのサイトカインは200±76.5pg/mlであった。)(いずれの群もn=10) 以上の結果より凍結保存後の培養表皮シートはサイトカイン分泌能を有すること、つまり生細胞としての機能を持つことが証明された。それはnegative controlよりも明らかに高いものであった。今後はpositive controlとの比較(凍結していない新鮮な培養表皮シートのサイトカイン分泌量)、より長期保存後の結果、またTGF-α以外のサイトカインの測定(EGF,IL-1,IL-6,IL-8)を予定している。
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