Project/Area Number |
08771193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河田 竜一 山口大学, 医学部, 助手 (20263783)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 頭部外傷モデル / プロポフォール / イソフルラン / burst supression脳波 / 神経学的予後 |
Research Abstract |
【研究の背景と目的】静脈麻酔薬のプロポフォール(Prop)は、in vitroではNMDA受容体を介するグルタミン酸神経毒性やフリーラジカル産生などを抑制することが報告されている。神経外傷後の病態で、これらの要因が重要と考えられているが、in vivoにおけるPropの効果は不明である。本研究はラッド頭部外傷モデルでPropの脳保護効果を神経学的予後の面から検討した。 【方法】Wistar系雄性ラット15匹を用い、イソフルラン(Iso)麻酔下に挿管・人工呼吸を行い、動静脈にカニュレーションした。脳定位装置に固定後左半球側を開窓し、硬膜上に置いたアルミ片に高さ10cmから6gの重りを落下した。外傷後、ラットを無作為に3群に分類した(各群5匹):笑気・Iso群(C群)は笑気66%とIso1.2%、Iso群(I群)はburst supression脳波(B-S)となるように2.5-3.0%を吸入(窒素66%)、Prop群(P群)はIsoを中止し(窒素66%)、同じくB-SとなるようにPropを0.8-1.2mg/kg/minで静注した。I群とP群では血圧維持のためフェニレフリンを投与し、P群では他群と血糖値をそろえるためグルコースを投与した。外傷2時間後まで麻酔を維持した。血圧、体温(脳、直腸)、脳波を連続モニタし、血液ガス、血糖測定は外傷直前と、外傷後30分毎に2時間測定した。抜管後2、12、24時間目の神経学的所見をスコア化(0-20点、0:正常、20:死亡)した。 【結果】3群間で生理学的諸量に差はなかった。神経学的所見は12時間目でC群(11±1)に比べI群(5±3)とP群(5±4)で有意にスコアが低く、障害が軽度であった。1群とP群間には差がなかった。 【考察・まとめ】Propで脳波上B-Sを維持すると、頭部外傷後の神経学的所見が非治療群に比べ良好で、Propの脳保護効果が示唆された。Isoの深麻酔でもほぼ同程度の保護効果がみられた。今後臨床で応用しやすい低用量の効果と保護機序の解明に加え、長期的効果(今回は明確でない)についての検討が望まれる。
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