前立腺組織におけるテストステロン5の還元酵素の異常に関する研究
Project/Area Number |
08771247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
赤倉 功一郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60261898)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 前立腺 / 前立腺肥大症 / テストステロン5α還元酵素 / エクソン・スキッピング / メッセンジャーRNA / アイソエンザイム |
Research Abstract |
前立腺肥大症では、間質細胞に存在するテストステロン5α還元酵素type2が主要な役割を果しており、上皮細胞は5α還元酵素type1のみを有することが知られている。そこで正常前立腺および前立腺肥大症における5α還元酵素mRNAの発現を比較検討した。正常前立腺組織3例および前立腺肥大症組織17例を用いて、reverse transcription-polymerase chain reaction (RT-PCR)法によりtype1およびtype2 5α還元酵素の発現を調べた。正常前立腺および前立腺肥大症の全例で、正常型のtype1およびtype2 5α還元酵素mRNAが検出された。さらに、検索した前立腺肥大症17例全例において、エクソン2を欠いた変異型type1 5α還元酵素mRNAを検出した。また、前立腺肥大症6例において、エクソン3、4を欠失した変異型type25α還元酵素mRNAを見いだした。これらはエクソンスキッピングによるスプライシング異常に起因すると思われた。これらtype1およびtype2変異型mRNAより、各々135および193アミノ酸からなる短いタンパクが生成されると推測された。酵素活性のkinetic dataの結果などより前立腺肥大症間質での5α還元酵素のVmax、Kmの増加が観察されており、間質・上皮とも細胞内DHT濃度は一定に保たれていることを考え合わせると、前立腺肥大症間質は不完全な活性を代償しDHTを保つために5α還元酵素含量を増すという仮説と矛盾しない。これらの変異型5α還元酵素mRNAの生物学的意義は現在のところ不明であり、今後の研究の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)