卵巣の老化および卵細胞における欠失ミトコンドリアDNA蓄積とその局材の解明
Project/Area Number |
08771322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石原 豊 名古屋大学, 医学部, 助手 (70273232)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 卵巣 / 老化 / ミトコンドリア / 欠失 / PCR |
Research Abstract |
材料及び方法 体外受精における採卵時に得られた卵細胞より、未受精その他の理由により実際の胚移植に不必要であった卵細胞を、患者の同意を得て使用した。また、婦人科領域各種疾患による手術時に摘出された標本より卵巣の一部を、患者の同意を得て使用した。 得られた組織よりtotal DNAを抽出し、ミトコンドリアDNA上の塩基番号8201から8220と13650から13631のプライマーペア-を用い遺伝子増幅装置にてDNAを増幅した。また卵巣組織切片をスライドグラス上に固定し、ジゴキシゲニンラベルされたプライマーを用いたin situ PCRを行った。 結果 卵細胞から得られたDNAでは、欠失ミトコンドリアDNAの増幅は認められなかった。閉経後の症例の卵巣より得られたDNAからは、約0.5kbのDNAが増幅され、この塩基配列を調べたところ、ミトコンドリアDNAのうちATPaseからND5の領域までの約5kbを欠失していることが確認できた。また、定量的PCRによる解析では欠失ミトコンドリアDNAの正常ミトコンドリアDNAに対する相対的存在量は、症例の年齢が高くなるほど多くなることがわかった。 考察と今後の展開 卵細胞での欠失ミトコンドリアDNAの存在は証明できなかった。今回得られた卵細胞は全て体外受精における排卵誘発に反応して採取されたものであり、老化のない細胞であったためと考えられた。今後症例数を増やし、特に高齢での体外受精症例からの採取卵、また排卵誘発に反応不良の未熟卵等での検討が必要と考えられる。 今回in situ PCRに用いた卵巣標本には原始卵胞が存在しなかったため、卵細胞及びその周囲での欠失ミトコンドリアの有無をみるには不適当であった。今後、閉経前の症例より得られた卵巣での検討を予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)