Project/Area Number |
08771353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
大久保 貴司 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40271241)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 卵巣癌 / nm23-H1 / E-Codherin / Estogen Receptor / 転移 |
Research Abstract |
nm23遺伝子は癌転移に関連する遺伝子として報告されていますが、その転移形質に対する作用機序は依然として不明です。原発巣とリンパ節におけるnm23-H1遺伝子の発現、さらにE-cadherin,Estrogen Receptorについても、その発現とnm23-H1との関連を検討した。卵巣癌112例、リンパ節転移巣23例、大網転移巣11例、腹膜転移巣11例のパラフィン切片を用いNM23-H1遺伝子産物、E-カドヘリン、およびEstrogen Receptorに対するモノクローナル抗体を用いてABC-PO法で組織免疫染色を行った. 1、卵巣癌の転移リンパ節における腫瘍の占有率とnm23-H1の発現について検討した結果、癌細胞の占有率が50%以上の例では陽性率が高いのに対して、50%以下の例では陰性率が88.9%とnm23-H1の発現が低下していた。 2、e-cadherinの発現を検討した結果、組織型によって若干の差を認めるとともに、リンパ節転移に関しては転移のない症例で陰性率が高い傾向があった。転移巣との比較では、リンパ節では転移巣で陰性率が低くなるのに対して、大網や、腹膜転移巣で陰性率の増加を認めた。さらにnm23-H1の発現との比較をしてみましたが、リンパ節転移巣ではnm23-H1の発現とe-cadherinの発現に関連が認められた。 3、卵巣癌のER陽性例は27.7%であった。 4、nm23-H1遺伝子産物陰性卵巣癌において、ERの発現を検討したところ、ERの発現と陽性卵巣癌との間に有意差はなかった。 5、ER陰性例で生存率が低い傾向が認められたが、陽性例との間に有意差はなかった。 以上のことからnm23-H1は転移巣での発現が低下する傾向があり、原発巣では易転移性の判断はできないと思われた。また転移リンパ節では、リンパ球がnm23-H1の発現に影響している可能性、あるいは転移段階ではnm23-H1の発現が低下する可能性が考えられた。e-cadherinはnm23-H1の発現との関連が示唆されるとともに、リンパ節転移に関与している可能性が考えられた。
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