頭頚部癌における癌抑制遺伝子、特にp16/MTS1/CDK4Iの遺伝子異常の解析
Project/Area Number |
08771378
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松浦 一登 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70271947)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 頭頚部癌 / 9p21 / loss of heterozygosity(LOH) |
Research Abstract |
第9番染色体短腕9p21領域にはp16/MTS1/CDK4I、p15などの腫瘍抑制遺伝子のほかIFNα遺伝子が存在し、様々な腫瘍でこの領域の欠失が認められている。しかし頭頚部癌においては未だ詳細な報告はなされていない。 そこで我々は2種類の polymorphic marker(IFNA、D9S171)を用いて頭頚部癌におけるp16遺伝子の遺伝子座である9p21領域の loss of heterozygosity(LOH)を検討した。 正常DNAを用いた場合、どちらかの marker が heterozygoto で評価可能であった67例のうち15例(22%)にLOHが認められた。LOHの有無とこれらの癌症例における臨床的因子を比較すると、腫瘍の局在や病期、大きさ、リンパ節転移などとの相関は認められなかったが、再発例にはLOHの頻度が有意に高かった。また4例において replication error(RER)が認められた。このなかで1例は上皮内癌の時点でRERが認められていた。 これらの結果から9p21領域の遺伝子欠損が既存の factor とは独立した prognostic factor である可能性が考えられた。また一部の頭頚部癌においてはゲノムの不安定性による癌化への関与が示唆されたが、癌細胞は極めて初期の段階からこうした形質を獲得しているものと考えられた。 今後はp16遺伝子の allelic loss および点突然変異などの解析と、頭頚部癌においては比較的若年者にも見られ遺伝子異常の関与が強く疑われる舌癌症例について、更に詳細な検討を加えていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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