Project/Area Number |
08771383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 健 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50251286)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | セキセイインコ / 鳥類 / 聴力障害 / コンタクトコール / 認識実験 |
Research Abstract |
セキセイインコの鳴き声の一種類であるcontact callは、50から200msという短い持続ながら、3kHz付近を中心とする極めて速く複雑なFM成分をもつ鳴き声で、これを聞き分けることにより個体認識を行うとされる。また、contact callは、環境により変化する特徴があり、新しい仲間の中に入ると、数週間のオーダーで変わり、ソノグラム上区別できないほど似通うことが実証されている。本研究は、セキセイインコの内耳有毛細胞再生過程における、鳴き声およびその認識の変化を調べることを目的とした。 セキセイインコの鳴き声の認識様式の評価、および、鳴き声自体の音響的変化の評価には、それぞれすでに開発した、operant conditioningを用いる聴覚心理実験装置および、DP-matching法を応用したcontact callを音響学的に解析する手法を使用した。セキセイインコを用い、聴張力障害を惹起し、聴力の推移(有毛細胞再生)と鳴き声変化・鳴き声認識との関係を調べた。聴力障害作成には、カナマイシンおよび強大音長時間暴露を用いた。鳴き声認識の変化を調査する目的で、同じカゴの仲間(cagemate)のうちの一部に聴力障害を作成し、この仲間全体の鳴き声(contact call)が如何に変化するかを調べた。聴力障害の無い個体の鳴き声は、明らかな変化を示さなかった。聴力障害を惹起した個体の鳴き声は、多少変化するもの、ほとんど変化しないものがあり、様々であった。また、鳴き声の認識では、聴力障害を作成したものは、作成以前に比して悪い成績を示したが、聴力改善とともに、認識の成績も徐々に改善した。
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