抗基底膜抗体による内耳蝸牛軸血管叢炎症モデルの作製と解析
Project/Area Number |
08771390
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 斎 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (20272841)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 抗基底膜抗体 / 蝸牛軸血管叢 / ラット / CD4陽性T細胞 / ステロイド |
Research Abstract |
家兎IgGlmgとフロインドアジュバントでラットを感作後抗基底膜抗体を腎炎惹起量(体重100gあたり0.5cc)静注した群(anti-GBM Ab group)と感作後抗基底膜抗体と同量の正常家兎血清(normal rabbit serum:NRS)を静注した群(NRS group)、さらに感作なしで同量の生理食塩水を静注したのみの群(saline group)を加え3群間で蝸牛軸血管叢の炎症反応(細胞浸潤)を比較検討した(各群5側)。さらにanti-GBM Ab groupでみられた細胞浸潤が臨床的に内耳障害の治療に有効であると考えられているステロイドで抑制されるかどうかを検討した。 その結果、抗基底膜抗体は静注した場合蝸牛軸血管叢の毛細血管の基底膜にのみ結合し、蝸牛軸血管叢にCD4陽性T細胞と単球/マクロファージからなる炎症細胞の浸潤が認められた。その数は、saline groupのCD4陽性T細胞(今回はじめて蝸牛軸血管叢に存在が示された)単球/マクロファージよりも有意に多いものであった(p<0.01)。しかしanti-GBM Ab groupで聴性脳幹反応の域値変化は見られず、高度な聴力障害は生じなかったと考えられた。一方NRS groupにも細胞浸潤が見られanti-GBM Ab group(p<0.05)とsaline group(p<0.01)の中間の程度であった。さらにNRS groupではNRSの静注後早期に蝸牛軸血管叢に免疫複合体と考えられる家兎IgG、ラットIgG、C3の顆粒状の沈着が観察され、anti-GBM Ab groupの細胞浸潤は、蝸牛軸血管叢の毛細血管の基底膜における抗基底膜抗体の特異的結合と、血中に形成された免疫複合体の沈着の両者に引き続いて生じたものと考えられた。またanti-GBM Ab groupの細胞浸潤はステロイドホルモンによって抑制された。(CD4陽性T細胞:p<0.05、単球/マクロファージ:p<0.01)すなわち本実験で示された炎症反応はステロイドが治療に有効な感音難聴の発生機序のひとつであると推察された。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)