Project/Area Number |
08771391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 英生 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (60251815)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 嗅上皮 / 分裂細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
通常神経細胞においては再生は起こらないとされているが、嗅細胞は変性の後、あるいは通常状態においても常に再生を行う特殊な神経細胞である。この再生母細胞は従来基底細胞とされてきたが、われわれは基底細胞の直上に存在する分裂細胞が、幹細胞であるとしてきた。平成7年度科学研究費補助金により行ったこの分裂細胞の生後の経時的変化に関する研究より分裂細胞が生後ある一定期間を除き減少傾向を示すことが分かった。また嗅細胞数は高齢期を除いてほぼ一定で、分裂細胞数がおおければ、嗅細胞数も単純に増えるということではないとの結論に達した。このことから嗅細胞の寿命は従来よりいわれてきた約30日と一定ではなくて比較的幅のあるものであることが分かった。また分裂細胞の多い幼弱期では細胞の新陳代謝も盛んで、比較的早く寿命を迎える細胞のなかにはいわゆるアポトーシスによるものも多いのではないかと考えた。 今回の実験より、アポトーシス細胞は嗅上皮のかなり表層にあり、上皮中間層には認められなかった。また生後1カ月と定常期の生後6カ月の比較では前者の方により多くのアポトーシス細胞が観察され、分裂細胞数が多い時期にはアポトーシス細胞も増加することが分かった。分裂細胞数が多く嗅細胞の新生が盛んな時期では成熟、シナプス形成という一連の嗅細胞分化の過程からはずれる細胞も相対的に多くなり、これらの細胞がアポトーシスを起こすのではないかと考えられた。また環境が及ぼす影響に関して分裂細胞数については特殊フィルター下にて飼育したモルモットにおいては同一月齢の比較で通常飼育下のモルモットより減少傾向にあった。
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