温熱による頭頚部癌のシスプラチン耐性克服に関する研究
Project/Area Number |
08771394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
大坪 俊雄 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10223877)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 薬剤耐性 / 頭頚部癌 / シスプラチン / ハイパーサーミア / 細胞内Pt取り込み |
Research Abstract |
Low-hyperthermia(40°C加温)によるCDDP耐性克服の可能性について、ヒト上顎癌由来細胞(IMC-3)とそのCDDP耐性細胞(IMC-3-DDP)を用いて検討した。 1、CDDP耐性株の作成:IMC-3細胞にCDDPを0.01μg/mlの濃度から徐々に接触させ、最終的には0.2μg/ml存在下でも生存可能な株(IMC-3-DDP)を作成した。 2、37°Cまたは40°CとCDDP(2.0μg/ml)併用との処理時間〜生存率曲線の検討: (1)40°C単独処理によるIMC-3、IMC-3-DDP両細胞の致死効果はほとんど認められず、またそれらの40°C感受性は同等であった。 (2)IMC-3、IMC-3-DDP両細胞のCDDP37°C処理によるT_0値(平均細胞致死時間)は、それぞれ46、120minであり、後者は親株にたいして、約3倍のCDD耐性を示した。 (3)40°C加温によって、IMC-3、IMC-3-DDP細胞のCDDP感受性は37°Cに比べて、それぞれ1.48、1.94倍に増強された。さらにこの増感比は、耐性細胞の方が、親株より大きかった。 3、細胞内Pt量の検討:37°Cまたは40°CとCDDPの2時間処理後の細胞内Pt量を調べたところ、胞1x10^6個あたりのPt量は、耐性細胞において親株の約6割に減少していたが、40°C加温時のPt量は37°Cに比べて、IMC-3で1.4倍、一方IMC-3-DDP細胞では1.8倍と増加していた。 以上のように、40°C加温によるCDDP感受性の増感効果は、正感受性細胞より耐性細胞において大きく、癌温熱化学療法におけるlow-hyperthermiaの有用性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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