Project/Area Number |
08771431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉島 一浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40245577)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 耳石機能検査 / 耳石器眼反射 / 眼球反対回旋 / 眼底写真 / 傾斜椅子 / 球形嚢 / 卵形嚢 / 聴神経腫瘍 |
Research Abstract |
正常者および聴神経腫瘍患者について、眼底カメラを用いて眼位の測定を行った。測定は眼底写真上で、視神経乳頭と黄斑部を結ぶ線が水平線となす角度を基準に行った。以下の知見を得た。 1.座位における眼位について (1)聴神経腫瘍患者では、眼位の患側への回旋(ocular torsion,OT)が認められる症例があった。しかしOTを認めない症例もあった。健側へ回旋している症例はなかった。正常者ではOTは認められなかった。 (2)OTが認められた症例は、温度眼振検査で半規管麻痺を示す症例とほぼ一致していた。 (3)これらは腫瘍の起源神経が上前庭神経と考えられたか、腫瘍径が2cm以上の症例だった。 (4)これに対し腫瘍が下前庭神経由来と考えられ、かつ腫瘍径が1cm以下の症例では、OTが認められず温度眼振反応もほぼ正常であった。 (5)以上より、OTは上前庭神経の機能障害を表していると考えられた。 2.傾斜椅子で体を左右へ各30°傾斜させたときの眼位について (1)正常者、聴神経腫瘍患者全員に眼球反対回旋(ocular counterrolling,OCR)を認めた。 (2)腫瘍径の小さな聴神経腫瘍患者の場合、上前庭神経由来の腫瘍症例では健側に傾斜させたときにOCRの減少をしばしば認めた。下前庭神経由来の症例では患側への傾斜でOCR減少を認めることが多かった。腫瘍径の大きな症例では一定の傾向は認められなかった。これらの結果は、OCRが球形嚢と卵形嚢の両方の影響を受けるほか、健側の前庭や視覚、深部知覚などによっても制御されていること、前庭代償に関係することなどを示しているし推察された。
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