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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
緑内障眼の形態学的変性とそれに伴う電気生理学,および生化学的変化については,いまだ解明されていない. 腸内細菌叢によりメタノールが産生されているが,メタノール視神経症では正常眼圧緑内障の眼所見と酷似するため,誤診されやすい. そのため,われわれは,現在,緑内障と診断されているものの中には,メタノール視神経症が関与しているものもあるのではないかと考え,ヒトや犬におけるメタノールの関与について検討した. その結果,生化学的な見地からは,ガスクロマトグラフを用いて血清メタノール値を測定し,95%の症例の血清メタノール値は2〜6μg/mlには含まれるが,ヒトで緑内障と診断されているもののなかには血清メタノール値が2〜6μg/mlを大きく超える症例が散見され,それらの症例の尿中メタノール排泄量も平均値+2SDを大きく超え,その本質についての解明が待たれる. また,電気生理学な見地からは,ヒトの緑内障眼における,網膜の青錐体系が緑内障の病期と関係なく,対象眼と比較して,約30%の機能低下を認めた.しかし,緑内障眼は高齢者が多く,中間透光体の影響を受けやすく,その真相については今後,さらに検討を要する。
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