分子生物学手法によるアデノウイルス結膜炎の治療薬の開発
Project/Area Number |
08771505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
伊藤 典彦 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80264654)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アデノウイルス / ファイバー / ヘキソン / 病原性 / ノブ / テ-ル / シャフト |
Research Abstract |
アデノウイルスの病原性の違いを利用した抗アデノウイルス薬の開発を行うために、ゲノムの変異に伴い結膜への病原性が異なるAd37臨床分離株とプロトタイプであるAd37pの相違点を明らかにした。 発生頻度の急速な上昇に伴い出現してきた、プロトタイプであるAd37pと異なるゲノムの制限酵素切断像を持つ株、Ad37wを材料とした。ウイルスの結膜細胞への親和性が強まったと仮定すると、まず細胞との接触に最も重要な、表面に突出したファイバー分子の変異が予想された。そのファイバー分子内において、最初に細胞と接触する部分はノブ領域である。そこで我々はノブ領域に注目し、その遺伝子配列をAd37pとAd37wにおいて比較した。さらに、ファイバー分子を構成するテ-ルとシャフト領域の遺伝子配列も比較した。 予想されるアミノ酸の配列比較の結果、Ad37pとAd37wのノブ領域とテ-ル領域の相同性は100%であった。一方、シャフト領域の相同性は99.3%であった。ファイバー分子内において、最初に細胞と接触するノブ領域ではなくノブを外方へ支持するシャフト領域に変異が見られたことは大変興味深いことであった。シャフト領域のアミノ酸置換が構造にどのように影響を及ぼすものかをファイバー分子の立体構造の情報をふまえながら検討している。さらに、Ad37wと異なるゲノム型を示す臨床分離株のファイバー遺伝子配列を決定中であり、今回発見されたアミノ酸の置換が近年の臨床株において普遍的な置換であるか否かを確認中である。 今後、細胞への接触に続き重要となる侵入に役割を担うヘキソン領域の病原性を支配する領域をも同定し、アデノウイルス治療薬の開発に利用してゆく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)