Project/Area Number |
08771518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
亀井 俊也 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70265156)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 塩酸ニカルジピン / 網膜電図 / 網膜虚血 / 網膜虚血再潅流 |
Research Abstract |
剥離網膜は、一種の網膜虚血状態と考えられ、また、網膜の再復位が得られた状態は、網膜の虚血-再潅流状態と考えられる。そこで、家兎眼球に眼圧上昇法をもちい、網膜虚血状態を作り、カルシウム拮抗剤である塩酸ニカルジピンの網膜虚血および虚血-再潅流に対する効果を網膜電図をもちいて検討した。有色家兎の硝子体内に塩酸ニカルジピンあるいは生理食塩水を注入し、その後前房内に生理食塩水を注入し網膜虚血を作製した。虚血解除、網膜再潅流後、経時的に網膜電図(a,b,及びc波)を記録した。その結果、塩酸ニカルジピン投与群は生理食塩水投与群と比較しa波、b波ともに有意に高い回復率を示した。また、c波は、生理食塩水投与群では陰性波(slow PIII)のままであったが、塩酸ニカルジピン投与群では半数で陽性波(c波)が認められた。この結果は、塩酸ニカルジピンは網膜虚血ならびに虚血-再潅流時の網膜の神経細胞(視細胞、双極細胞)ならびに、網膜色素上皮細胞へのカルシウムイオンチャンネルからの細胞内へのカルシウムイオンの流入を阻害し、虚血ならびに虚血-再潅流による網膜色素上皮の障害を予防する効果があることが確認された。このことは、虚血網膜の一種である剥離網膜においても同様の効果が得られる期待を持たせる効果であり、実験的網膜剥離眼に、同様に塩酸ニカルジピンを投与し網膜復位後のその機能回復過程を網膜電図で記録することにより、その回復過程が良好となりうる可能性を示唆するものである。臨床的に網膜剥離は、90%以上の解剖学的復位率の得られているが、復位しているにもかかわらずその機能が不良である症例が多々あり、そのような症例への塩酸ニカルジピンの投与がさらなる網膜剥離治療の機能予後の改善に有効である可能性が示唆されるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)