Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
視神経炎の病変部分の経時的変化を明らかにするためにMRIの脂肪抑制法の一つであるshort inversion time inversion recovery(以下STIRと略す)法を用いて視神経炎の治療による経時的な視機能変化と神経放射線学的な画像所見との関連性について検討した。視神経の信号強度の判定については,同一スライスにおいて視神経,脳白質の各々の局所の信号強度を測定し,これらの値と目的の視神経の信号強度との比率(視神経/脳白質)で表わすことにより信号強度を客観的に評価した。正常対照群では視神経と脳白質はほぼ等しい信号強度であった。視神経炎症例で治療前から治療終了後12ヵ月までの経時的変化において治療前は病側視神経の信号強度比は正常例の1.2〜1.5倍と明らかな異常高信号を呈した。治療により視機能が回復した後も,信号強度比は高値がなお持続していた。また再発例では信号強度比はより高くなる傾向がみとめられた。長期経過観察においては、小児の視神経炎で治療終了後2年から9年経過し視機能が回復している症例でも異常高信号は持続していた。成人の視神経炎で治療終了後3年から10年経過した症例においても同様に視神経の信号強度は高値であった。この視神経に持続する異常高信号はグリオーシスを主体とした視神経炎の後遺症としての病理所見を反映しているものと考えられる。視機能が回復した後の視神経炎においても一旦,炎症により障害された視神経線維は将来にわたってMRIのSTIR法の画像で示されるような病理学的変化がなお残存するものと思われる。
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