ヒト歯髄における抗原提示細胞の役割に関する免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
08771563
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 勇人 新潟大学, 歯学部, 講師 (70251824)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 歯髄 / 免疫組織化学 / 抗原提示細胞 / ヒト / 大食細胞 / 樹状細胞 / 免疫担当細胞 |
Research Abstract |
申請者は平成8年度科学研究費補助金を受け、ヒト正常歯髄における抗原提示細胞の分布・微細構造および歯牙切削後の歯髄における抗原提示細胞の動態を免疫組織化学的・免疫細胞化学的に検索し、ヒト歯髄における抗原提示細胞に関して以下の事を明らかにした。 1.正常歯髄における抗原提示細胞について ヒト正常歯髄においても齧歯類歯髄同様、数多くの抗原提示細胞が歯髄中に存在しており、歯髄周辺部に密に分布していることが明らかとなった。微細構造学的に、これらの細胞は細胞質中に種々の電子密度をもった小胞を数多く持っており、飲み込み陥凹には電子密な物質を含む像も観察され、活発な飲み込みを行っていることが伺われた。また、象牙前質中に存在し象牙細管中に細胞質突起を侵入させている抗原提示細胞は、複数の象牙芽細胞突起と接触していることが明らかとなり、象牙芽細胞の損傷をいち早く感受出来るよう象牙前質中に配置してものと思われた(日本歯科医師会雑誌,1996)。 2.象牙質切削による歯髄組織の変化と抗原提示細胞 歯牙切削後の歯髄組織の動態を検索し、歯牙切削後初期には齧歯類歯髄同様ダイナミックな歯髄反応が起こっていることが明らかとなった。象牙質切削1日後には、歯髄・象牙質境に滲出性の変化が起こり、抗原提示細胞は歯髄内にシフトする一方、象牙細管中には数多くの好中球が観察され変性した象牙芽細胞突起を処理しているものと思われた(Dentin Pulp Complex,1996)。しかし、明かな歯髄反応が見られない例もあり、歯種、歯牙年齢、既往歴により歯髄反応が異なっていた。今後は長期例の観察を行い、象牙質切削後の抗原提示細胞のセンサー細胞としての機能についてさらに検索を進めたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)