Project/Area Number |
08771734
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武市 収 日本大学, 歯学部, 助手 (10277460)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 成人性歯周炎 / 歯肉 / 単核細胞 / サイトカイン / mRNA / ヘルパーT細胞I型 / PCR法 |
Research Abstract |
本研究では免疫機構の担い手であるヘルパーT細胞の機能を把握し、成人性歯周炎発症のメカニズムを解明することを目的とした。そこで、成人性歯周炎患者から歯肉組織を採取し、単核細胞を分離した後、Polymerase Chain Reaction(PCR)法により、インターロイキン(IL)2、ガンマーインターフェロン(IFN-γ)、IL-5およびIL-6の各遺伝子発現を比較検討し、以下の結果を得た。 1.成人性歯周炎歯肉(35例)から分離した単核細胞では、全症例の55.6%にIL-2mRNAの発現がみられ、40%にIFN-γ発現を認めた。また、IL-5の遺伝子発現は、全症例の14.3%であり、IL-6は全症例で検出されなかった。 2.得られた単核細胞をリコンビナントIL-2、concanavalin A、pokeweed mitogen、または大腸菌由来LPSで刺激したのち、上記と同様にサイトカインの遺伝子発現を検索したところ、全症例の57.1%にIL-2遺伝子の発現を認め、全ての症例でIFN-γmRNAの発現を検出した。また、IL-5およびIL-6遺伝子の発現は、それぞれ85.7%および45.5%であった。 3.上記遺伝子発現の特異性を、Southern hybridization法により確認した。また、PCR法のコントロールとしてβ-actin遺伝子の発現を検索したところ、全症例から同等のシグナルを得た。 以上の結果より、以下の結論を得た。 1.成人性歯周炎歯肉中の単核細胞はIL-2およびIFN-γ遺伝子を発現し、IL-5およびIL-6の遺伝子を発現しないことから、ヘルパーT細胞のI型であることが推察された。 2.炎症歯肉中の単核細胞を刺激すると、全てのサイトカイン遺伝子が発現されることから、IL-5およびIL-6遺伝子の発現能に異常はないと思われた。
|