歯髄炎症惹起時における循環血液中の炎症マーカーの動態について
Project/Area Number |
08771740
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
前田 宗宏 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (10219280)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 炎症マーカー / 実験的炎症歯髄 / ラット下顎切歯 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非注水下で象牙質に窩洞形成し、下顎切歯歯髄に刺激を加えた際の、血液中の炎症マーカー(白血球動態、赤血球沈降反応、急性期反応蛋白質)の変化を測定することである。ラットに急性で部分的な実験的歯髄炎症を惹起させると、血液中の好中球数とリンパ球数は急速に増加し、処置後6時間以内で最大値(好中球:430,200±12,986cells/ml、リンパ球:395,600±4,636cells/ml)に達した。 歯髄炎症を伴ったラットから採取した血液において、赤血球沈降反応は炎症の進展に伴い徐々に増加し、処置後24時間で最大値となった。赤血球沈降反応の最大値は36.9±2.1mm/hrとなり、ラットの健常値の7.5倍であった。 同様にラット血液中のアルブミン・グロブリン比は歯髄炎症により減少してゆき、24時間後で最小値となった(0.85±0.08)。 血液中のフィブリノーゲン量は処置後24時間では歯髄炎症からの反応により増加することがわかった。最大値は3.64±0.19mg/mlとなり健常値の1.5倍であった。 さらに典型的な急性期蛋白質の一つであるC-反応性蛋白質(CRP)量は、下顎切歯に刺激を加えると血液中において増加していくことがわかった。CRP量の増加は24時間まで継続し、最大値(4,407±152μg/ml)となり、健常値の7倍に達していた。 炎症反応の出現から2日以内では、血液中の赤血球沈降反応、アルブミン・グロブリン比、フィブリノーゲン量、およびCRP量の一時的な変化は同期していた。 以上の結果は、歯髄の急性局所炎症の進行に従って、全身循環血液中の炎症マーカーが有意に変化する可能性を強く示唆していた。
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Report
(1 results)
Research Products
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