Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
支台歯形成時のハンドピ-スは,第1指,第2指および第3指により保持される.通常,第1指と第2指がハンドピ-スに対する力のベクトルを決定し,第3指は,ハンドピ-スの安定と共に,治療部位に対して手指を安定させる働きがある.これらの指のコントロールによりx,y,zの3軸方向へのハンドピ-スの移動を制御している. 臨床実習の学生を対象として上顎中切歯の支台歯形成を行わせそのグリップと形成歯についての検討を行った.特に何の指示も与えずに形成を行わせた場合には,グリップIIによるハンドピ-スの把持を行う傾向が認められた.この際,第2指の第1関節部は伸展しており,ハンドピ-スの柄の角度は前頭面において約10度前後であった.近遠心的な動きのコントロールに対しては,第3指レストでのコントロールが難しく,第4指レストにより,第1指から第3指までを含む指全体での移動を行う傾向が見られた.また,唇舌的な動きのコントロールに対しても同様であった.これらの学生に対し,Dr.Beachが推奨する固有感覚に基づく「眠っているときの手」と呼ばれる緊張の少ない自然体でのグリップを指導したところグリップI-Aの把持に近い形となった.第2指の第1関節が屈曲し,第1関節および第2関節部の屈曲の度合いを変えることにより第3指レストにおけるハンドピ-スの動きのコントロールができるようになった.この場合のハンドピ-スの柄の角度は,前頭面において約30〜40度前後であった.しかしながら,ハンドピ-スと第3指との接触がなくなり第1指および第2指のみによるハンドピ-スの把持を行うケースも見られることが問題となり,今後のグリップに対する検討の必要性が認められた.
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