Research Abstract |
これまでに,インプラント埋入後の治癒機転を加速させる試みとして容量結合型電場刺激法(以下CCEF刺激)の応用を試み,新生骨形成促進効果があることを報告した.そして,さらにCCEF刺激時間の短縮化を考え,骨形成促進効果があると言われている薬剤,ソルコセリルやプロスタグランディンE_1の併用を試みた.日本白色家兎を用い大腿骨遠心端に埋入,実験期間2週間,刺激時間4時間で行い刺激時間中薬剤を点滴静注した.2種類の薬剤についてそれぞれ非脱灰研磨標本を作製し評価した,評価法はCMR,蛍光顕微鏡によるラベリング像の観察,塩基性フクシン・メチレンブルー重染色,画像解析(骨接触率,骨面積比率)について行った.CCEF刺激を与えない群(Cont.)を対照とし,CCEF刺激を4時間刺激した群(4h),8時間刺激した群(8h),ソルコセリルのみを投与した群(SS),CCEF刺激4時間にソルコセリルを併用した群(SS4h),プロスタグランディンE_1製剤のみを投与した群(PGE_1),CCEF刺激4時間にプロスタグランディンE_1製剤を併用した群(PGE_14h)について比較検討した. 1.骨接触率(Cont.に対して)4hは約1.6倍,8hは1.8倍,SSは約1.6倍,SS4hは約2.0倍,PGE_1は約1.5倍,PGE_14hは約1.7倍で各群共にCont.に対して危険率0.1%で有意に高い骨接触率を得ることができた. 2.骨面積比率(Cont.に対して)4hは約1.3倍,8hは1.6倍,SSは約1.6倍,SS4hは約2.1倍,PGE_1は約1.4倍,PGE_14hは約1.7倍で各群共にCont.に対して危険率0.1%で有意に高い骨面積比率を得ることができた.以上の結果から薬剤投与とCCEF刺激の併用によりCCEF刺激単独より新生骨形成を促進する傾向が認められ,CCEF刺激時間の短縮が図れる可能性が示唆された.今後,家兎の例数増加,薬剤投与方法の検討,作られた骨の強度試験,別の評価法についても行う予定である.
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