Project/Area Number |
08771841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
竹川 政範 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50216876)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 放射線照射骨 / 骨移植 / 血管鋳型観察法 / 免疫組織化学 / 増殖細胞核抗原 |
Research Abstract |
放射線照射後の適切な骨移植時期を知るために、放射線照射後の骨移植に関して組織・形態的な研究を行った。その結果、移植床周囲の新生骨形成は、放射線照射後2週目に骨移植を行った群では移植後初期に著しく低下していたが、照射後4週目に骨移植を行った群では非照射移植群と同様であった。原因として放射線照射によって血管形成および未分化間葉系細胞の増殖が障害されるため、初期の新生骨形成が遅延して骨癒合が遅れることが示唆された。放射線照射後に骨移植を行った場合の血管形成の障害とその回復過程を明らかにするために、メルコックスによる血管鋳型法を用いて走査型電子顕微鏡により観察を行った。さらに放射線照射後の骨膜未分化間葉系細胞の変化については、組織学的および増殖細胞核抗原(PCNA)を使用して免疫組織化学により検討した。結果:移植床周囲の血管新生は、照射後2週目に骨移植を行った群では低下していたが、照射後4週目に骨移植を行った群では2週目移植群と比較して回復していた。血管新生部位は新生骨形成部位と一致しており、血管新生と新生骨形成が関連していることが示唆された。骨膜の未分化間葉系細胞は、照射後1週目にかけて減少するが、照射後2週目から6週目にかけて増加した。骨膜のPCNA陽性細胞は、照射後3週目から照射後6週目にかけて増加した。結論:放射線照射により生じる新生骨形成の障害は、血管新生の障害、骨膜の未分化間葉系細胞の減少によって生じるが、これらの障害の照射後の時間経過によって回復することで新生骨形成が回復することが明らかとなった。放射線照射後に骨移植を行う場合、少なくとも血管形成障害および未分化間葉系細胞の数が十分回復するまでの時間経過を必要とすることが示唆され。今回の研究は、細胞および分子レベルでの放射線と骨形成との関係について研究を行う上での基礎となった。
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