Research Abstract |
鹿児島大学歯学部付属病院第2口腔外科において下顎枝矢状分割法による下顎骨後退術をおこなった患者10名について,患者の同意を得て,半導体レーザーを用いた非接触三次元形状計測装置(ボクセラン^<【encircledR】>)により,手術後の顔面軟組織形態ならびに下顎骨後退量を三次元的に分析した.結果は次の通りである. 1.手術後の顔面軟組織の変化は,オトガイ部を中心に下顎骨体部から上唇にかけて変化が認められた.正中オトガイ部に計測基準点を設定し,その移動変化量を1としてその変化を分析したところ,その変化率は1〜1.23で,側方にいくに従い漸減し,最外方では0.5以下の変化であった。 2.下顎後退量と軟組織移動量の比率を分析したところ,正中オトガイ部基準点で,軟組織変化量/下顎骨後退量は平均0.93であった. 3.上記の結果より,術後予想シミュレーションを行い,更にその形態を立体模型化し,実際の顔面形態と比較したところ,比較的良好な結果が得られ,顔貌予測が可能であることがわかった. 4.体脂肪測定器を用い体脂肪率と顔面軟組織の変化量との関係を分析したところ,体脂肪率の高い症例では,顔面軟組織の変化率が低い可能性が示唆される結果となった.
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