破骨細胞の分化過程における接着分子の発現調節機構に関する研究
Project/Area Number |
08771934
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三木 美麗 東北大学, 歯学部, 助手 (10236820)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 破骨細胞 / M-CSF / 活性型ビタミンD / 吸収窩 / インテグリン / 末梢血リンパ球・単球 / 接着分子 / 分化 |
Research Abstract |
骨は巧みな適応性を備え、添加と吸収の調和のとれたリモデリングにより、内部構造や形態を変化させ適切な調和を維持する。骨吸収を司る破骨細胞の分化過程に関する研究は活発に行われている分野であるが、未知の部分が多い。本研究は破骨細胞の分化過程と接着分子の発現と消退を詳細に検討することにより、どのような分子がどの形成stepでcriticalな役割を果たしているのかを明らかにし、さらにそのstepを制御する因子を同定することを目的とする。 本年度の研究において明らかになったことを以下に示す。 (1)ヒト末梢血より、Ficoll-Isopaqueによる比重遠心法でヒト末梢血中に存在するリンパ球・単球画分(PBL)を採取し、10%FBS添加αMEM培地中で、PBLを培養すると、経日的に破骨細胞の特徴である酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ活性陽性の多核巨細胞(TR (+) MNC)の形成が増加した。 (2) PBLをM-CSF (マクロファージコロニー刺激因子)存在下で培養すると4日目から非付着性と付着性細胞が増加し、PBLのDNA合成は7日にピークが示された。すなわち、分画された末梢血リンパ球・単球はM-CSFに対して感受性があり、そのレセプターを有していることが示唆された。 (3) M-CSFによりwell中のTR (+) MNCの総数は増加するが、単位細胞あたりのTR (+) MNCの数は減少した。 (4) 1α, 25 (OH) 2D3を培養開始時に添加するとTR (+) MNCの形成は抑制され、培養7日目以降の添加でその数は増加した。活性型ビタミンD3は、分化段階によってその作用が異なることが示唆された。 (5)牛歯根切片上で培養すると培養14日目以降で吸収窩の形成がわずかに認められた。すべてのTR (+) MNCが骨吸収活性を有してはいなかったが、一部の細胞は吸収活性を有していた。 ヒト末梢血中に存在するリンパ球・単球画分(PBL)から誘導されるTRAP陽性の多核巨細胞は、破骨細胞としての特徴をある程度有する細胞が誘導されることが明らかになった。細胞膜表面に発現している接着分子についてはマクロファージ分化抗原とともに現在検索中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)