Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,矯正治療患者の歯肉溝浸出液gingival crevicular fluid(GCF)を,歯の移動開始後経時的に採取し,そのタンパク量およびサイトカイン量を測定することに加えて,GCFの採取部位についても比較検討することにより,歯の移動にともなう骨のリモデリングについての知見を求めることを目的として行った. 同意を得た上下顎左右第一小臼歯抜歯症例患者12名を被験者とした.それぞれの被験者の上下顎左右第一小臼歯抜歯後,上顎にマルチブラケット装置を装着し,エラスティックチェーンにて上顎の左右いづれかの犬歯の遠心移動を開始した.遠心移動中の上顎犬歯を実験歯,反対側の上顎犬歯と実験歯と同側の下顎犬歯を対照歯として,移動開始時,1時間後,24時間後,168時間後に,それぞれの歯の遠心側と近心側より歯肉溝浸出液をペ-パーストリップスにて採取した.タンパク抽出後,ELISA法にてサイトカインの定量を行った.測定するサイトカインとして,骨吸収促進因子のひとつであるInterleukin(IL)-1β,IL-1βとsynergisticに作用するとされているTumor Necrosis Factor(TNF)-α,IL-1β,TNF-αによってosteoclastから産生されるIL-6,初期の炎症反応の場となるperiodontalligamentでfibroblastから産生されるEpidermal Growth Factor(EGF),さらに骨形成促進因子であるTransforming Growth Factor(TGF)-β_1について,その含有量を測定した. 矯正力を加えた実験歯から採取されたGCF中のサイトカイン量は,実験歯の遠心側と近心側で統計学的に有意差は認められなかった.
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