自然発症糖尿病ラットにおける正中口蓋縫合部拡大後の修復に対するb-FGFの効果
Project/Area Number |
08772004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
冨永 宗嗣 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80279314)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 自然発症糖尿病ラット / インスリン / 病理組織学的研究 / 側方拡大 / 修復機転 |
Research Abstract |
研究目的:糖尿病患者の増加が指摘されており、今後同患者に対する歯科矯正治療の機会は増加するものと考えられる。今回BB/W-DPラットを用いて上顎側方拡大を行い、正中口蓋縫合を離開させた同部に線維芽細胞成長因子(b-FGF)を局注し、拡大を伴う骨の新生、添加などの修復過程について、病理組織学的、組織科学的に比較検索しようとするものである。 結果:前実験期間を通じて、縫合部の修復は対照群の方がBBラット群より速やかに行われていた。本研究では両群ともに拡大後、正中口蓋縫合部は血餅で満たされ、骨壁付近には断列した結合組織線維が認められた。しかし対照群ではBBラット群と比較してその様相は、弱く毛細血管、線維芽細胞、骨芽細胞が多く認められた。これらの相違は、インスリン欠乏もしくは高血糖状態により線維芽細胞や骨芽細胞への分化の抑制あるいは細胞自体の機能低下によって生じたものと考えられる。修復期間として保定五日から保定七日までをみると、この時期には血餅のほとんどが肉芽細胞や結合組織線維に置換されており、毛細血管や線維芽細胞が豊富になっていた。またこの時期には、結合組織線維の伸張は徐々に弱くなり、新生骨梁の形成がみられた。これらの修復期の変化は、BBラット群に比べ対照群で強くみられた。これはインスリン欠乏が細胞の機能低下をもたらすことを、また骨芽細胞の生産する様々なサイトカインによる細胞間の相互作用として、破骨細胞の分化や活性化を調節することが示唆されており、骨芽細胞の機能異常が破骨細胞に影響を及ぼすことが考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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