Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
アルツハイマー型痴呆症は癌,心臓病と並んで治療法の早期発見が期待されている疾患のひとつであり,その原因は脳の老化,すなわち神経成長因子(NGF)の欠如によるものと推察されている.NGFは神経系の発生・分化・機能維持に重要な役割を持つ因子で,代表的な細胞応答のひとつに神経様突起の伸展が知られているが,それはラット副腎髄質由来の株細胞であるPC12細胞を用いると容易に観察できる.本研究では,アルツハイマー型痴呆症の予防,治療に有効な天然物の開発を目的として広く植物界からの神経様突起伸展作用物質の探索を行う. 神経突起伸展作用のスクリーニング法は,NGF応答性のクローン細胞であるPC12細胞を,10%馬血清,5%牛胎児血清を含むRPMI1640培地で培養し,試料を添加した後その神経の突起伸展を観察することによって評価を行うものとした. 種々の植物のエキスについて上記スクリーニングを行った結果,アヤメ科のジャーマン・アイリス(Iris germanica)およびグミ科のShepherdia argentea のエキスに強い神経突起伸展作用を認めたので,さらにそれらエキスについて上記活性を指標として分画,精製を進め,活性成分の探索を行った.その結果,ジャーマン・アイリスからはIsoflavone 類等7種および新規化合物3種を含むIridal型triterpenoid11種を単離し,S.argenteaからは新規タンニン2種を含む4種の加水分解性タンニンを単離した. 今回単離した化合物はいずれも活性は弱いが,他の未精製部に活性本体と思われる化合物の存在を確認しており,現在さらに精査を行っている.
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