生理活性ムコ多糖のクッパー細胞における輸送機構:スカベンジャー受容体の関与
Project/Area Number |
08772066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
巾 正美 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (70254307)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | クッパー細胞 / スカベンジャー受容体 / 分画ヘパリン / 分子量依存性 / α-グロブリン |
Research Abstract |
分画heparinの取り込みにおける分子量依存性 ラット遊離クッパー細胞におけるスカベンジャー受容体による分画ヘパリンの取り込みには顕著な分子量依存性が認められ、分画heparinの分子量を24000から10000 Da.に低下させることにより、解離定数は約10倍に上昇し、見かけの内在化速度定数は約1/2に低下した。以上の結果は、分画heparinの分子量の低下によりスカベンジャー受容体へのbinding affinityと見かけの内在化速度定数は低下することを示すものであり、分画heparinの分子量が、スカベンジャー受容体による分画heparinの取り込みにおいて、重要な支配要因となっていることが明かとなった。 分画heparinの取り込みにおよぼす血漿タンパクの影響 分画heparinの血漿中における、主な結合タンパクであるα-グロブリン(8mg/ml)は、分子量23000Da.の分画heparinの表面結合量と内在化量を約30および40%に減少させたが、α-グロブリン(8mg/ml)存在下において、非結合形の分画heparinのみが取り込まれると仮定することにより算出した分画heparinのtotal association量の予測値は、実測値の約1/6および1/4であり、これらの結果は、非結合形に加えてα-グロブリンと結合したHMWFHも取り込まれること(protein-mediated transport)を示すものである。α-グロブリン(8mg/ml)存在下における分画heparinの初期取り込みクリアランス-濃度プロファイルを、遊離形の分画heparinののみが取り込まれることを仮定した速度論モデルにより解析した結果、算出された解離定数、487nMは、in vitro結合実験より得られた値(168nM)より3倍大きく、また結合部位数、0.155はin vitro結合実験より得られた値(0.5)の約1/3であった。これらの結果は、クッパー細胞による取り込み実験において、見かけ上分画heparinの非結合形分率が上昇していることを示すものであり、protein-mediated transportはこの見かけ上の非結合形分率の上昇によるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)