Project/Area Number |
08772069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡 茂範 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10268097)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 二原子酸素添加酵素 / トリプトファン / 化学モデル / 三元錯体 / フリーラジカル / ESR |
Research Abstract |
天然の酵素系において検出が非常に困難であるヘム-酸素-基質三元錯体およびフリーラジカル種などの反応活性中間体をTDO(Tryptophan 2,3-dioxygenase)化学モデル系を構築することにより検出し、基質酸化反応およびヘムによる酸素活性化機構の解明を目指して研究を推進した。 本研究により、以下の新たな知見を得ることができた。1)ヘムとして合成ポルフィリン鉄錯体(Fe(III)TPPClおよびFe(III)PPIXDMECl)、トリプトファンモデル基質(スカトールおよびN-アセチルトリプトファンエチルエステル)、アルカリ試薬(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)および分子状酸素で構成される化学モデル系を用いて、三元錯体および基質由来のフリーラジカル種を検出し、さらに基質に分子状酸素が添加されることを確認した。2)今回、検出した三元錯体を可視吸収スペクトル法・電子スピン共鳴法を用いて配位構造および電子状態を検討したところ、三元錯体は基質の3位炭素とヘムが分子状酸素で架橋された構造をとることが推定された。3)ヘムの構造を変化させて反応性を検討したところ、ヘムの立体傷害の大きさと還元性は触媒活性に関与することを見出した。また、天然のTDOの第五配位子と考えられているイミダゾールを配位子として用いることにより、ヘムの軸位にイミダゾール性窒素を有する二原子酸素添加反応を触媒しうる三元錯体の検出に成功した。以上の研究結果から、基質酸化反応を推定した。 これまで、一原子酸素添加酵素に関する研究は数多く報告されているにもかかわらず、二原子酸素添加酵素に関してはその限りではない。本研究で得られた知見から、ヘム酵素の基質酸化反応および酸素活性化機構を提案することができた。 本研究の成果は、二つの報文として発表予定である。
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