抗酸化PC抗体を用いたLDLの酸化変性と泡沫細胞内酸化LDL代謝の解析
Project/Area Number |
08772108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
板部 洋之 帝京大学, 薬学部, 助手 (30203079)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 酸化LDL / 泡沫細胞 / 動脈硬化 / モノクローナル抗体 / 酸化PC / アルデヒドPC / 架橋蛋白質 / LCAT |
Research Abstract |
抗酸化LDLモノクローナル抗体DLH3は、アルデヒド基を含む9CHO-PCなどのPCの過酸化反応生成物をエプトープとし、免疫組織化学で病巣内のマクロファージ由来の泡沫細胞を顕著に染色する。また、この抗体を用いた酸化LDLの高感度定量法により腎透析患者血漿LDL酸化レベルが健常者の約8倍であることをすでに見出している。さらに今年度は、(1)低HDL血症を呈する遺伝性疾患であるLCAT欠損症患者の血漿LDL酸化レベルが健常者の約3.5倍であることを見出した。LCATに酸化PCを代謝する活性のあることも見出し、LCATが血漿LDL酸化変性防御因子としての役割のあることが示唆された。(2)DLH3と同様にヒト粥状硬化病巣ホモジェネートを免疫源として作製したモノクローナル抗体DLH2が、架橋蛋白質を認識することを確かめた。ヒト動脈硬化病巣をこのDLH2抗体で免疫染色すると、泡沫化したマクロファージおよびその周囲の細胞外マトリックスが陽性となり、病巣中に架橋変性を受けた蛋白質が存在することが示唆された。(3)J774マクロファージ細胞に、未処理LDL、アセチルLDL、酸化LDLを1時間取り込ませた後、細胞内での各LDLの残存量の経時変化をヒトアポBに対するサンドイッチELISAで調べた。LDLとアセチルLDLは速やかに減少(半減期30分)した。酸化LDLは半減期約90分と少し代謝速度は遅かったが、24時間後にはほとんど細部内から消失した。酸化LDLもマクロファージに取り込まれた後に完全に代謝されるのか、さらに検討中である。(4)J774マクロファージ細胞にリポ蛋白質除去血清存在下でスフィンゴンシンを加えて24時間培養すると、DLH3の免疫染色陽性になることが見いだされた。何らかの細胞刺激に伴って、おそらくリポ蛋白質には依らず、細胞膜リン脂質の酸化変性が起こりうる可能性が考えられた。現在、この様な変化を起こす条件、細胞の種類、生じた抗原の性質などを検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)