Project/Area Number |
08772113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
安藤 堅 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (30232094)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アポトーシス / anti-band3IgG / ポリラクトサミン糖鎖 |
Research Abstract |
筆者は、老廃細胞の生体による除去機構に関する研究において、血漿中に存在する赤血球膜糖タンパク質band3に対する自然抗体anti-band3IgGが老化赤血球表面のポリラクトサミン糖鎖に結合することを見いだしている。この糖鎖は白血球や種々の培養細胞にも存在しており、老化やアポトーシスを起こした体細胞の除去マーカーとして機能している可能性がある。そこで、ポリラクトサミン糖鎖を持つ細胞としてヒト前骨髄性白血病細胞HL-60cellを用いて、以下の検討を行った。 HL-60cellにcycloheximideやactinomycinDを添加し、FCS添加RPMI培地中で最大6時間反応させてアポトーシスを誘導した。アポトーシスの判定はDNAの断片化をアガロース電気泳動法で観察することによって行った。誘導剤を添加しない場合でも断片化がみられたが、誘導剤を添加した場合ではよく断片化がおきており反応6時間で顕著であった。Anti-band3IgGは正常なヒト血清より精製し、^<125>Iで標識後、アポトーシス細胞と2時間反応させた後、細胞に結合した放射活性を測定してanti-band3IgGの結合量を算出した。誘導剤無添加の場合でもanti-band3IgGは結合し、その結合量は反応時間に依存して増加した。誘導剤を添加した場合でも経時的なanti-band3IgGの結合増加がみられ、反応6時間ではその結合量は誘導剤無添加の場合よりも明らかに多かった。この結果から、anti-band3IgGがアポトーシス細胞を認識することがわかった。Anti-band3IgGは細胞表面のポリラクトサミン糖鎖に対する抗体であることから、細胞がアポトーシスをおこす過程で細胞膜にanti-band3IgGの結合をひきおこすような変化がおきており、ポリラクトサミン糖鎖は広く細胞一般の除去マーカーとして機能している可能性があることが示唆された。 現在、anti-band3IgGのポリラクトサミン糖鎖に対する結合性を確認中であり、より詳細な知見の得られることが期待できる。
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