Project/Area Number |
08772127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
田村 豊 福山大学, 薬学部, 講師 (30217202)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アデノシン / 一酸化窒素(NO) / A1受容体 / A2受容体 / グルタミン酸 / 神経毒性 / 大脳皮質 / PKA |
Research Abstract |
Cyclic AMP系を介したグルタミン酸神経毒性抑制機構を解明する目的で初代培養大脳皮質ニューロンを用いて実験を行った。 最初にアデノシンの神経保護作用機序について検討を行った。アデノシンはグルタミン酸神経毒性に対して1-1000μMの濃度において用量依存性にグルタミンン神経毒性を抑制した。このアデノシンの神経保護作用はアデノシンA_1受容体拮抗薬の8-cyclopentyltheophyllineでは減弱されずA_2受容体拮抗薬のKF-17114により用量依存性に減弱された。次に、アデノシン受容体に選択的な作動薬を用いて検討を行った。その結果アデノシン受容体の非選択的作動薬である5′-N-ethylcarboxamidoadenosine、およびA_2受容体作動薬であるCGS-21680は0.1-10μMの濃度において用量依存性にグルタミン酸神経毒性を抑制したが、A_1受容体作動薬のN^6-cyclohexyladenosineは10μMの濃度においても保護作用を発現しなかった。アデノシンの保護作用に対するcyclicAMP依存性タンパクリン酸化酵素(PKA)阻害薬の作用を検討したところ、アデノシンの保護作用およびCGS-21680の保護作用はPKA阻害薬のH-89により用量依存性に減弱された。一方アデノシンはグルタミン酸により誘発されるカルシウム流入や一酸化窒素(NO)生成試薬により誘発される神経毒性を抑制しなかった。受容体を介さずにcyclicAMP-PKA系を活性化するforskolin、8-bromo-cyclicAMPも保護作用を発現しその保護作用はH-89で減弱された。また、これらの薬物もカルシウム流入やNO生成試薬により誘発される神経毒性を抑制しなかった。 以上の結果は、大脳皮質ニューロンにおいてアデノシンなどのcyclicAMP-PKA系の活性化する物質は神経保護作用を発現すること、その機序はNO生成の細胞内反応を抑制することによるものであるこを示唆する。
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