小腸内セクレチンと膵臓内セクレチンレセプターの遺伝子発現調節機構の解明
Project/Area Number |
08772135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
増田 正雄 (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 助手 (20260284)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | セクレチン / コレシストキニン / 膵外分泌 |
Research Abstract |
セクレチンおよびそのレセプターの遺伝子発現調節機構を解明することを目的とし、先天的にコレシストキニンのA型レセプターを欠損しているラット、Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty(OLETF)を用いて、膵外分泌機能に対する関与が明らかとなっている小腸内セクレチンと膵臓内セクレチンレセプターのmRNA発現量を調べた。さらに、転写レベルと機能レベルの関係を明らかにするために遺伝子発現量と血中セクレチン濃度、セクレチン分泌刺激に対する分泌能、セクレチンに対する膵外分泌反応との関係を調べた。その結果、小腸内セクレチン遺伝子の発現量がそのコントロールであるLong-Evans Tokushima Otsuka(LETO)よりも高値を示すことがわかった。さらに、セクレチンの遺伝子発現量と分泌能の関係を検討するためにradioimmunoassayにより両ラットの血清中セクレチン濃度を測定したところ、基礎値がLETOよりもOLETFの方が有意に高いこと、食事負荷によりLETOでは有意なセクレチン濃度の上昇が観察されたが、OLETFでは認められないことが明らかとなった。一方、膵外分泌の基礎分泌は膵液量、膵タンパク分泌量、重炭酸イオン分泌量のすべてにおいてLETOの方が有意に高値を示した。また、種々の濃度のセクレチン(8.6、86、432pmol/kg)を静脈内投与したときの膵液および重炭酸イオンの分泌能は、LETOの方が高い傾向にあったが有意差は認められなかった。これらの結果から、コレシストキニンのA型レセプターが小腸におけるセクレチン遺伝子の発現を制御していることが示唆された。しかし、この作用が直接的なものであるか、先天的にコレシストキニンのA型レセプターを欠損したために生じた作用であるのかは今後の課題である。また、遺伝子欠損動物を用いるin vivoの実験の結果を解釈する際にはさまざまなfactorの関与を考慮に入れなければならず、今後詳細を明らかにしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)