薬剤性パーキンソニズムの構造活性相関論的予測-ドパミンレセプター結合占有率とカタレプシ-発現との関係からのアプローチ-
Project/Area Number |
08772165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 清美 東京大学, 薬学部, 助手 (60232435)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 薬剤性パーキンソニズム / カタレプシ- / ドパミンレセプター / アセチルコリンレセプター / レセプター結合占有率 |
Research Abstract |
ドパミンD_2およびD_2レセプターに対して非選択的に結合して遮断する薬物により発現するカタレプシ-を定量的に予測するために、それぞれのレセプターに選択的に結合するリガンドであるSCH23390およびネモナプリドのレセプター結合占有率とカタレプシ-強度の関係を検量線として使用した。SCH23390およびネモナプリドを同時投与した場合、それぞれの単独投与時と比較してカタレプシ-は相乗的に増強されことから、D_1およびD_2レセプター間の相互作用を考慮したモデルを構築した。薬剤性発現パーキンソニズムを発現するまたは発現する可能性がある薬物(ハロペリドール、フルナリジン、マニジピン、オキサトミド、ヒドロキシジン、メクリジン、ホモクロルシクリジン)についてカタレプシ-とドパミンレセプター結合占有率を測定し、本ダイナミックモデルよりその強度を推定し、実測値と比較した。全ての薬物が両ドパミンレセプターに結合することが示されたが、ハロペリドール、フルナリジン、マニジピン、オキサトミドではカタレプシ-が多かれ少なかれ発現したのに対し、ヒドロキシジン、メクリジン、ホモクロルシクリジンではカタレプシ-を発現しなかった。 本ダイナミックモデルによるカタレプシ-予測値は観測値を過大評価したことから、薬物自身にカタレプシ-減弱作用がある可能性が示唆された。その一つとして薬物自身の抗コリン作用を定量的に見積もるために、SCH23390およびネモナプリドとスコポラミンをそれぞれ同時に投与し、このさきのmAChレセプター結合占有率とカタレプシ-変化量の関係をmAChレセプターによるカタレプシ-減弱に関する検量線とした。これにより上記7薬物についてカタレプシ-予測値を補正したところ、観測値に近付いた。以上より、薬物によるカタレプシ-の強度の定量的予測には、ドパミンD_1、D_2およびmAChレセプターへの結合占有率とレセプター間の相乗作用を考慮したダイナミックモデルが有用であることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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