Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
方法:通常の血液透析に使用されたダイアライザー9種類(合成高分子膜5種類:AN69(AN,Hospal),Polymethylmetacrylate(PMMA,東レ),Polyamide(PA,Gambro),polysulphone(PS-T,東レ;PS-F,川澄化学)),セルロース系膜4種類(Cuproammonium Rayon(CU,テルモ),Cellulose acetate(CA,JMS),Vitamin E-coated cuproammoniumrayon(CU-E,テルモ),Hemophan(HE,Gambro))について、各々4回づつ実験を行った。血液側回路を生理的食塩水及び20mmol/lEDTA溶液にて肉眼的に残血がなくなるまで洗浄後、1%SDS溶液により、拡散、濾過、24時間放置後再度濾過により吸着蛋白を抽出した。Lowry法により吸着蛋白の定量を、SDS-PAGEにより分子量を分析した。 結果:単位面積当たりの吸着蛋白量は合成高分子膜で多く(AN69;766,PMMA;434,PA;132,PS-F;221,PS-T;317mg/m^2)、セルロース系膜で少なかった(Cu;96,CA;63,HE;38,Cu-E;96mg/m^2)。抽出分画毎に見た場合、ANやPMMAでは濾過や24時間放置後の抽出が多くを占めており、PAでは、24時間放置後の抽出にて多く抽出された。SDS-PAGEでは、アルブミン(MW:67k)やβ2-m(11.8k)に相当する位置においてバンドを認めた。そのほか、40k近辺をはじめとして、種々の分子量の蛋白が検出された。しかし、これらの分子量の分析では、透析膜や抽出分画により大きな差異が認められた。更に、血清における蛋白の分布とは大きく異なり、単に血清の濃度依存的に蛋白が吸着されるというわけではないことが示された。 結論:透析膜における透析中の蛋白吸着現象は、膜素材やポアサイズにより量的、質的差異が認められることが示唆された。更に今後、各分画の蛋白の同定を行っていく必要があると考えられる。
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