Project/Area Number |
08772188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
岸川 匡彦 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40268199)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トランスサイレチン / タンデムマススペクトロメトリー / アミロイドーシス / ニューロパチー / 免疫沈降 / 完全分子 / エレクトロスプレーイオン化 / アミノ酸変異 |
Research Abstract |
遺伝子の異常によって変異蛋白質が合成され、種々の疾患を引き起こす。変異蛋白質による疾患の種類は多く、診断には高度の技術と時間を必要とする。それぞれの疾患の頻度はあまり高くないが、疾患の種類が多いため患者数は少なくない。これまで変異蛋白質が起因する疾患の代表的なものとして異常ヘモグロビン症が良く研究されており、当グループでも質量分析を用い、構造異常を明らかにし、診断に貢献している。 家族性アミロイドポリニューロパチーの原因はトランスサイレチンの変異によることが知られているが、この疾患は壮年期に発症し、診断および保因者の検出に、簡便で信頼の出来る検査法が望まれる。被験血清に抗トランスサイレチン抗血清を加え、免疫沈降物を得、それを質量分析することにより、1時間以内に5μlの被験血清で診断しうることを示した。宮崎医大、熊本大、Unea大との共同で多数症例を集め分析し、6種類の変異が前記方法で検出可能であることを証明した。また、家族歴はないが、臨床症状よりアミロイドーシスを疑う症例に分析を行ったところ、変異トランスサイレチンを検出した。この症例に対し、前述の免疫沈降法と分離用HPLCを用い、トランスサイレチンを精製し、トリプシン消化して質量分析に供し、変異部位を同定した。その結果、この症例は本邦初の変異であることが分かった。これについて現在投稿準備中である。また、アミロイド関連の臨床症状の全くない症例について分析を行った結果、変異トランスサイレチンであることを偶然見いだした。本症例についても、前述と同様の方法で、変異部位を同定した。その結果、これまで報告例のない新たな変異であることを見いだし、現在投稿準備中である。
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