Project/Area Number |
08780002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
家政学
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤井 恵子 山形大学, 教育学部, 講師 (20186480)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 混合ゲル / 寒天 / ゼラチン / 相分離 / 物性 |
Research Abstract |
1.目的 非相溶性素材からなる複合材料は相分離を起こし様々な海島構造を形成するため、その物性は、組成のみならず相分離構造にも依存することが知られている。本研究においては、調製条件を変えることによって同一組成であっても相分離構造の異なる混合ゲルを調製し、その物性と相分離構造との関連を明らかにするとともに、得られた知見を基に高齢者が咀嚼・嚥下しやすいゲル食品を創製することを目的とした。 2.方法 口どけが良くのどごしが良いが扱いにくいゼラチンゲルと扱いやすいが口どけのやや悪い寒天ゲルとからなる混合ゲルを試料として選定した。寒天、ゼラチンそれぞれ単独ゲルの破断強度が同じになるように濃度を定め、混合割合は寒天:ゼラチンを75:25、50:50、25:75とした。混合時の温度は60℃と40℃にし、また冷却してゲル化させる際の温度を10℃、30℃で3時間保持後10℃、40℃で3時間保持後10℃の3段階に設定した。得られたゲルの破断特性値を測定し、物性と相分離構造との関連を検討した。 3.結果 混合温度が60℃の場合、寒天:ゼラチンが75:25、50:50の試料は単独ゲルに比べ破断強度が低下した。いずれの混合割合においても30℃あるいは40℃で3時間保持後10℃でゲル化させた試料は、10℃でゲル化させたものに比べ破断強度が低下した。混合温度が40℃の試料については、混合割合によりかなり相分離構造の異なるゲルが得られ、寒天:ゼラチンが75:25の試料は、非常に軟らかいペースト状のゲルとなり、高齢者にとって咀嚼・嚥下しやすいと考えられた。以上の結果より、調製条件を変えることによって同一組成であっても相分離構造の異なる混合ゲルを調製することができた。冷却してゲル化させる際の冷却速度が極めて速いときには相分離の程度が小さな構造が形成され、遅い場合には相分離が進行し海島構造が卓越した構造が形成されることが明らかとなった。
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