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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.ビタミンB^1(B^1)代謝異常変異株の分離:酵母Saccharomyces cerevisiae KYC291(MAT a,his)を親株にEMSで変異処理を計6回行い、レプリカ法にてB^1要求性変異株の分離を試みた結果、ビタミンB^1の構成単位であるOMPまたはThを要求する変異株各1株、OMPとThの両方を要求する株1株の計3株を取得できたが、B^1そのものを要求する株は得られなかった。OMP要求性変異株につてはその後の継代培養によってその要求性を失った。これは変異が不完全で不安定であったため、復帰変異により要求性を失ったためと考えられる。同時にB^1輸送系変異株をピリチアミン(B^1のアナグロ;pyri B^1)耐性を指標に分離した。取得した合計約350コロニーについてthi10(輸送タンパク質の構造遺伝子欠損)変異株と掛け合わせて表現型が相補されない(thi10とは別の遺伝子に変異をおこしたと推測される)株3株を取得した。 2.B^1代謝活性の測定:現在までのところ、B^1合成能についてはOMPとTh以降の酵素活性しか測定法が確立されていないため、OMPやThを要求する変異株の酵素化学的分析は行えなかった。pyriB^1耐性株3株についてはB^1輸送能を測定した結果、1株(No.25)はほぼ完全に、2株(No.89,90)は50%以下に輸送能を失っていた。しかし、No.25はその後の継代培養によってpyriB^1耐性を失った。 3.遺伝学的解析:OMP、Th要求株2株はKY312(NATα,ura,leu,his,trp,ada,lys)と、pyriB^1耐性株2株はthi10変異株と掛け合わせて2倍体を作成し、それらの胞子について現在四分子分析を行っている。しかしこれらの株はいずれも胞子形成率が非常に低く、胞子形成培地にさらなる工夫を検討中である。 4.遺伝子レベルでの検討:四分子分析の結果、取得した変異株の遺伝子変異が、単一箇所の損傷を受けた核性の劣性変異であると確認できれば、さらにこれらの株のもつ要求性や輸送能を相補するDNA断片を酵母DNAライブラリーからクローニングし、変異部分に相当する遺伝子の塩基配列を決定する方向に進む。
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