Project/Area Number |
08780062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (50193321)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高齢者 / 運動開始 / 換気応答 / 循環応答 / 随意運動 / 受動作動 / 換気亢進 |
Research Abstract |
高齢者における運動に対する呼吸・循環応答の特性を明らかにすることは、運動処方を作成する上で非常に重要であると考えられる。先行研究では、運動時の酸素摂取量の立ち上がりは、若者に比べ高齢者では遅れることが報告されているが、運動開始直後15秒以内に見られる換気や心拍数の急増(Phase I)に関して、高齢者と若者を比較した研究はこれまで行われていない。そこで本研究では、運動開始20秒内での高齢者の呼吸・循環応答を明らかにすることを目的として実験を行った。被検者は60才以上の高齢者12名と、比較群として健康な成人男子20才台の若者12名で、1)騎座姿勢で体重の約5%の重りを足首に装着し、安静状態から随意による両脚交互の伸展-屈曲動作を1秒/回のテンポで20秒間行わせる随意運動、2)安静状態の被検者に対し、同じような動作になるように、検者が被検者の脚を受動的に引っ張る受動作用を20秒間、それぞれ12回行わせ、その時の換気量や吸気ガス濃度をbreath-by-breathで、また、心拍数、インピーダンス法による心拍出量、トノメトリ法による血圧をbeat-by-beatで測定した。その結果、高齢者は、随意運動および受動作動開始直後の換気増大分が、若者に比べ有意に低いことが明らかとなった。高齢者の中には運動時に換気が安静時よりも低下したり、運動中全く無呼吸になるなど、呼吸が抑制される場合も見られた。また、心拍数や心拍出量については、高齢者の立ち上がりは若者と比べ遅い傾向が見られた。血圧は高齢者、若者とも運動開始20秒以内には顕著な変化を示さなかった。このことから、高齢者は若者に比べ運動開始直後の呼吸・循環応答が低く、運動に対する適応が遅延する傾向を持つことが明らかとなった。従って、高齢者に運動処方を行う場合、これらに留意し、ゆるやかに運動を始める必要があることが示唆された。
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