Project/Area Number |
08780100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
本間 幸子 日本女子体育大学, 体育学部附属基礎体力研究所, 助手 (90257080)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 酸素供給量 / 酸素消費量 / 組織酸素飽和度 |
Research Abstract |
【方法】健康な女子大学生(平均年齢21.1歳)8名は最大掌握力(MVC)の10%に相当する重りを1秒に1回の頻度で持ち上げる動的掌握運動を1分間行った。その後、十分な休息を挟みながら10%MVCづつ強度を増加して同様の運動を繰り返した。規定された運動を60秒間続けられなかった時点で測定を終了した。同様のプロトコールによる測定を連続して2日間実施し、腕橈骨筋(BR)および尺側手根屈筋(FCU)における近赤外光の吸光量変化を近赤外分光装置(OM-100A,島津製作所)および吸光量絶対値を位置分解近赤外分光装置(OM-100AS,島津製作所)を用いて計測した。得られた吸光量絶対値より酸素化ヘモグロビン量(HbO_2)、脱酸素化ヘモグロビン量(Hb)および総ヘモグロビン量(HbT)と酸素飽和度(HbO_2/HbT)を算出した。また全ての強度の運動終了直後に、上腕に60mmHgの圧を加えて静脈閉塞を行い、その時のHbO_2およびHbTの増加量より、酸素供給量の指標(O_2 supply index)および酸素消費量の指標(O_2 consump.index)を求めた。さらに、それぞれの筋から表面筋電図を導出した。 【結果および考察】全被検者において10-30%MVC強度の運動は60秒間持続できたが、40%MVC強度の運動は60秒間持続することができず、平均持続時間は41.7秒であった。BRおよびFCUのいずれにおいても10%から30%MVCに強度が増加するのにともなってO_2 supply indexおよびO_2 consump.indexは直線的に増加するが、40%MVCではそれ以上の増加が見られなかった。このように強度の増加に伴った変化パターンはBRとFCUで類似していた。しかし、O_2 consump.indexを筋間で比較すると30および40%MVC強度のときFCUでそれぞれ12.5,11.1unitであったのに対し、BRではそれぞれ16.6,16.8unitとなりBRで顕著な高値を示した。この変化はSO_2に反映され、FCUにおいてSO_2は56.5%(30%MVC),58.5%(40%MVC)であったのに対し、BRでは42.7%(30%MVC)、39.5%(40%MVC)となり、BRで顕著あるいは有意(40%MVCではP<0.05)に低値となった。また30および40%MVCではBRの筋電図積分値がFCUのそれよりも有意に高値を示した。以上のことから、強度の増加に伴ってそれぞれの活動筋の運動に対する貢献度が変化し、それに対応して酸素消費量が増加することがわかった。このとき酸素供給量には差が認められず、このことが結果的に酸素飽和度の低下を招くことが示唆された。
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