Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
急性運動負荷初期に生じる,骨格筋の糖利用に先行して起こる肝グリコーゲン分解亢進には,肝マクロファージであるKupffer細胞と肝実質細胞間のcellular communicationが関与するかどうかについて研究を継続している. 今回は,肝グリコーゲン分解がマクロファージ機能抑制ラットの場合,抑制されるのかどうかについて,検討を行った.実験動物にはFischer344系雌性ラットを用い,Gadolinium chlorideを実験開始24時間前に尾静脈投与した.安静群,運動群に分類した.運動は,トレッドミルランニングを負荷した.運動終了後,腹大静脈および門脈より採血を行った.肝は脱血後摘出し,肝グリコーゲン含量を測定した.血糖値,乳酸値,血漿プロスタグランディンD2濃度を測定した. 運動負荷による血糖値の上昇及び肝グリコーゲン分解の亢進は観察されたが,Gadolinium chloride投与による,運動時の血糖値上昇抑制,あるいは肝グリコーゲン分解抑制は観察されなかった.しかし血漿PGD2濃度の動態からは,ラットにおける肝グリコーゲン分解作用へのマクロファージ機能抑制の影響は明らかにされず,今後さらに詳細な検討が必要であると考えられた. また急性運動がKupffer細胞の貧食能に及ぼす影響について,Fischer344系雌性ラットを用い,ランニングを60分間負荷し検討を行った.運動開始直前に蛍光ラテックス粒子を尾静脈投与し,運動終了後,肝は脱血,摘出後,凍結切片を作成し,蛍光顕微鏡下で肝に蓄積したラテックス粒子数を測定した.その結果,肝単位面積当たりのラテックス粒子数は運動群の方が高く,Kupffer細胞のラテックス粒子取り込み能の亢進の可能性が示唆された.しかしそのメカニズムについては明確にされなかった.
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