Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
地球規模の環境問題が一段と深刻になった今日,廃棄物リサイクルの問題は豊かな社会における必要悪とさえみられる傾向にある。近年リサイクル型社会・循環型社会という言葉が注目されてきたが,その内容や実現に関してはまだ議論すべきことが多い。本研究では現代日本に於ける自動車リサイクルの現状を,とくにシュレッダ-・ダスト問題とその対策を中心に検討し,問題の経緯と各メーカーの対応と相違,および通産省の産業構造審議会等での議論をまとめた。自動車解体業者・シュレッダ-業者への聞き取り調査を九州地区を中心に精力的に行い,自動車産業の静脈部の現場の意見を整理した結果,シュレッダ-・ダストの処理は、コスト・システム・意識等が地域によって微妙に異なっていることが明確になった。今回はシュレッダ-・ダストの広域処分を題材に,廃棄物の広域処理に関する現状と問題点を整理したが,とくに現代の「廃掃法」では適用上の問題点が多々あることが明確になった。今後は地方分権型の社会経済システムの下で,廃棄物リサイクルに関する環境インフラの整備が望まれるが,その理論的解明は今後の課題である。さらに,リサイクル・マイン・パーク計画について考察を行い,廃棄物の広域ネットワーク処理の構築に関する課題と,他産業との連携の可能性についても言及した。また,諸外国の自動車リサイクルの現状分析(とくにドイツとオランダについて)を加えた上で,求められている方向は「リサイクルの産業化」である以上に「産業のリサイクル化」であることを提示した。
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