Project/Area Number |
08780128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山下 宗利 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (40202379)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 都市景観 / ゆらぎ / スペクトル |
Research Abstract |
本研究は、都市景観画像から得られる形態及び色彩の両特性を計量的に同時に把握する方法の開発とその応用を行った研究である。 1.景観の分析方法の開発 (1)色彩的特性 景観写真からフィルムスキャナーを用いてデジタル化した景観画像を対象にそのスペクトルを解析することによって「ゆらぎ」を測定した。まず最初に256階調の景観画像上に水平方向に等間隔の走査線を設定し、この線分上の濃淡分布(空間周波数)を得た。この空間周波数のスペクトル解析を行い、パワー・スペクトルを求めた。 (2)形態的特性 複雑な都市形態を定量的に把握するために、景観画像から個々の構造物のフレームのみを抜きだし、色彩要素を排除した。このベクトル画像に対して上記と同様にスペクトル解析を行った。 2.分析景観 分析対象とした景観は、佐賀市の古い商家の面影を残す材木町をはじめ、東京・丸の内地区、福岡・博多駅前地区の業務街、東京・日本橋地区の商業地区、西福岡マリナタウンといった計画的に造成された地区、そして日南市飫肥と南木曽町妻籠宿から得た。 3.分析結果 ・多くの伝統的な町並みには1/f型のスペクトルが認められたが、業務街と計画的な街では色彩のみに1/f型のスペクトルが認められた。一方、業務街の形態と商業地区に関するスペクトルは1/f型を示さなかった。 ・分析上の問題点として景観要素の質的差異(落ち着き、派手、地味といった感覚)が1/f型のスペクトルにいかにあらわれているか、といった点に言及できなかった。しかし本研究は都市空間に認められる景観の特性を再認識する手助けとなる方法であるといえよう。
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