数学的問題解決過程における推論スキーマの役割とその学習を促進する課題の構成-初等代数における「対称性スキーマ」を事例として-
Project/Area Number |
08780152
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10219321)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 数学教育 / 認知科学 / 問題解決 / 推論スキーマ / 初等代数 / 課題分析 |
Research Abstract |
1.問題解決過程における「対称性スキーマ」の役割の分析と実証的研究 初等代数(中学校1〜2年次)を対象として,認知研究のサーマリ-と課題の収集・分析を行った。同時に「対称性」を重視した課題の選定を行ったが,その結果,次のような知見が得られた。まず第一に,対称性(シンメトリー)は主に幾何学の教材で扱われてきており,代数の分野ではほとんど見られないこと。第二に,対称性が扱われているのは初等代数の分野で非明示的にではあるが,数列を扱った課題(例えばカレンダーの性質を証明する課題)で扱われていること。そこで,数列を扱った課題における生徒の問題解決過程の特徴を調査した。その結果,まず第一に,生徒は対称性を使った解法の特徴を「計算しやすい」「見やすい」と言った表面的な特徴として理解しており,対称性が使われていることに対する認識がほとんど見られないこと,第二に,対称性スキーマが使われる立式過程においては使っても使わなくても同じだという認識であること,が明らかになった。 2.効果的な対称性スキーマの学習を促進する課題構成法の基礎的研究 より自然な形で対称性スキーマを適用できる課題を考案し,対称性に関する説明,文字式による論証の意義の説明などを取りまとめ,複数の課題系列を設計した。実証的なデータ収集は現在進行中であるが,複数の現職教員を対象にしたアンケート結果からは,対称性スキーマを活性化することによって文字式による探究の過程が促進されるという結果が得られている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)