Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
画像修復に対するマルコフ確率場モデルのエネルギー関数の最適解の探索において統計力学のみならず量子統計力学定手法をも適用することにより,高精度の近似最適解を得ることが可能となることが新たに確認できた.今回,新たに確認できた成果を具体的に列挙すると以下の通りである. 1.原画像におけるエッジの長さとエッジの角の個数に対する拘束条件のもとで観測画像にできるだけ近い画像を修復画像として得ようという最小値問題を考えることにより,線過程を考慮したエネルギー関数を構築することが可能であることを確認した. 2.アニーリングに代わる最適解探索手法として,量子力学的ゆらぎの効果を導入することにより,アニーリングと同等の探索精度が得られることを確認した. 3.クラスター変分法の立場から反復条件付き最大化法をクラスター反復条件付き最大化法に拡張することにより,系統的に精度を上げることのできる新たな探索アルゴリズムを構築し,従来の平均場アニーリングアルゴリズムよりも高精度の最適解をより短い計算時間で探索できることを確認した. 本研究において,数値計算のアルゴリズムは既存のワークステーション(HP9000model712/80およびC160)において主としてFortran言語により作成しており,本補助金により設備品として購入したパーソナルコンピュータ(DESKPRO5100)および消耗品として購入したFortranコンパイラーを用いて,上記アルゴリズムがワークステーションのみならずパーソナルコンピュータにおいても十分動作可能であることを確認できた.また,画像処理においては大量のデータが発生するためこれを保存する媒体として,本補助金において設備費として購入したDATドライブを活用した.本研究の遂行にあたって,大阪大学大学院理学研究科の阿久津教授および東北大学大学院情報科学研究科の堀口剛教授と研究打ち合わせをおこなうため,本補助金の旅費により大阪および仙台に1度ずつ出張し,上記3等の研究を行うきっかけをつかむことができた.
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